セラミックは虫歯になりにくい?

はじめに

セラミックは天然歯のようなツヤ感で、口元を美しく見せてくれる、詰め物や被せ物の素材です。実はセラミックには、見た目の美しさだけではなく、虫歯になりにくいという大きなメリットがあります。
本記事では、セラミックがなぜ虫歯になりにくいのか、保険診療の銀歯と合わせて紹介します。セラミックの歯を検討している方は、最後までご覧いただき参考にしてください。

セラミック治療 まる歯のセラミック

セラミックが虫歯になりにくい4つの理由

セラミック治療した歯と金属を使用して治療した銀歯を比較すると、セラミック治療した歯の方が虫歯のリスクが下がります。それは、次の4つの理由があるためです。

1. 形が変わらない
2. 汚れがつきにくい
3. 接着剤で隙間ができない
4. 適合が良い

一つずつ詳しく説明します。

1:形が変わらない

口の中は、唾液や飲食物の影響によって常に変化が起きていて、一定の環境ではありません。
セラミックは酸やアルカリ、熱に強く、耐久性が高いため、変形や劣化しにくい素材のため、長期間安定して使用できます。

2:汚れがつきにくい

陶器素材で作られているセラミックは密な構造になっていて、微小な穴や隙間がほとんど存在しないので、表面が非常になめらかに仕上がります。
そのため、細菌や食べかすが付着しにくく、表面に汚れが蓄積されにくい特徴があります。

3:接着剤で隙間ができない

セラミックを歯に固定する際に使用する接着剤は、科学的な結合によって歯と緊密に吸着するため、セラミックと歯の接合部分がしっかり接着します。
セラミックと歯の間に隙間ができにくく、長期間使用しても接着剤は劣化しにくいので、隙間から細菌が侵入して虫歯になるリスクが低減します。

4:適合が良い

セラミック歯は、口腔内の詳細な情報をもとに高度なデジタル技術を活用して作製されます。患者さまの歯を型どりして作られた歯の模型をスキャンするか、直接口腔内の歯をスキャンして歯のデータを取得します。
このデータをもとにコンピューターで設計され、その設計通りに削り出されるので、非常に精度が高い技工物に仕上がります。

銀歯が虫歯になりやすい理由

セラミックの技工物と比較すると、虫歯のリスクが高まるのが銀歯です。
銀歯にすると虫歯になりやすい理由は、次の4つです。

1. セラミックに比べて汚れがつきやすい
2. 熱さなどで金属が変形する
3. 長期間の使用で金属イオンが溶け出す
4. 接着剤の劣化

順番に説明します。

1:セラミックに比べて汚れがつきやすい

銀歯は天然歯に比べて、もともと表面がなめらかではなく、傷がつきやすい素材です。
このなめらかでない部分や傷にプラークや細菌が付着します。
また、銀歯が唾液の成分によって微弱な静電気を発生させるため、汚れが付着しやすい性質があるともいわれています。

2:熱さなどで金属が変形する

銀歯は金属製のため、温度の変化に敏感です。熱い飲み物や冷たいものを摂取すると、金属が膨張または、収縮するので、歯と銀歯の間に隙間ができることがあります。
この小さな隙間から虫歯菌が侵入してしまい、虫歯が発生する可能性があります。

3:長期間の使用で金属イオンが溶け出す

銀歯は、主に金・銀・銅・パラジウムなどの金属を混ぜて作られた合金です。
この金属は口腔内で長期間、酸性環境にさらされると金属イオンが溶け出します。
金属イオンが溶け出したことにより、歯と銀歯の間に隙間ができ、虫歯になるリスクが高まります。

4:接着剤の劣化

銀歯を歯に固定する際に使用される接着剤は、歯と銀歯の境目部分を埋めて固めるものであり、歯と一体化するわけではありません。歯科用語では、「接着」ではなく「合着」と呼ばれています。
科学的な結合ではないため、時間が経つと接着剤は徐々に劣化が進行し、隙間ができる可能性があります。

セラミックのメリットとデメリット

セラミックには、虫歯になりにくいだけではなく多くのメリットがあります。
しかし、デメリットもあるので、セラミックを検討している場合は、デメリットも把握しておきましょう。

セラミックのメリット

セラミックのメリットは次の通りです。

セラミックは、天然歯に近い色合いや透明感があり、美しい仕上がりを実現します。
汚れがつきにくいため、細菌の繁殖が防げるので、歯周病へのリスクを低減し、口臭の発生もおさえられます。
また、強度があり耐久性があるので、長期間にわたってセラミックの美しさや機能を維持できます。

セラミックは金属を使用しないので、金属アレルギーへの心配がないことも大きなメリットといえるでしょう。
唯一メタルボンドと呼ばれるセラミック歯は、中に金属を使用し、外側にセラミックを使用しています。
セラミックには、さまざまな種類があり、それぞれの特性が異なります。セラミックの種類を選ぶときは、ドクターとしっかり相談しましょう。

セラミックのデメリット

セラミックのデメリットは次のとおりです。

セラミックは強度がありますが、強い衝撃が加わると欠けたり割れたりします。
セラミックの歯自体は、汚れがつきにくい性質がありますが、日々の歯磨きを怠ることや定期的な歯科医院でのクリーニングを怠ると、虫歯や歯周病になることもあります。
被せ物の場合、歯周病が重症化して歯ぐきが下がると、セラミッククラウンと歯ぐきに大きな段差ができます。
その場合はセラミックの作り直しが必要になることも。セラミックの歯は永遠ではないことを認識しておきましょう。

セラミックの技工物を作製する場合は、保険診療対象外のため、自費診療になります。
そのため、治療費が高額になります。金額は、詰め物、被せ物により異なり、それぞれセラミックの種類によっても異なるため、ドクターとしっかり相談し、納得した上で治療を進めましょう。

銀歯のメリットとデメリット

銀歯の平均寿命は5年といわれています。
多くの虫歯治療で銀歯は使用されていますが、メリットとデメリットをしっかり認識しておきましょう。

銀歯のメリット

銀歯のメリットは次のとおりです。

銀歯は保険診療の対象となるため、費用が抑えられます。
また、強度と耐久性がありますが、かみ合う反対の歯にダメージを与えてしまうこともありますので、装着時のかみ合わせの調整はしっかりと行いましょう。

銀歯のデメリット

銀歯のデメリットは次の5つです。

銀歯は目立ちやすいので、普通に会話しているときにも見えてしまい、審美性に劣ります。
銀歯は長期間口腔内に入れていると、唾液や飲食物の影響によって、口の中で少しずつ溶け出します。
溶けた金属イオンが歯ぐきに定着してしまうと、メタルタトゥーと呼ばれる歯ぐきの黒ずみができてしまう可能性もあります。また、溶け出した金属イオンによって、金属アレルギーの原因にもなります。
銀は汚れが付着しやすいので、虫歯や歯周病、口臭のリスクも高まるでしょう。

銀歯に比べてセラミック治療が高額な理由

セラミックの歯を長持ちさせる秘訣

セラミックの歯を長持ちさせるためには、日頃の適切なケアが重要です。
セラミックの歯はしっかりケアすると、一般的に10年以上使えるといわれています。
ただし、虫歯や歯周病にならないわけではありません。セラミックの歯を良い状態で、長持ちさせるには次の3つのポイントを意識して取り組みましょう。
なお、これらの方法は、銀歯でも有効です。

  1. 毎日のケアを徹底する
  2. マウスピースで歯ぎしりや食いしばりから守る
  3. 定期的に歯科医院でメンテナンスを受ける

一つずつ説明します。

1:毎日のケアを徹底する

毎食後歯磨きをして、口腔内に汚れを残さないようにしましょう。食事のあと、数時間で歯垢(プラーク)が形成され、歯の表面に付着します。
プラークは細菌の塊で、虫歯や歯周病、口臭などの原因になります。プラークは蓄積され、長期間除去されないと固まって歯石になります。
セラミックはプラークがつきにくい素材ですが、衛生状態が悪い口腔内では、虫歯や歯周病、口臭のリスクが高まります。

口腔内に汚れが残らないよう、しっかり歯磨きしましょう。
また1日に1回は、歯ブラシが当たりにくい歯と歯の間や歯の根元、技工物の周りなどを、デンタルフロスや歯間ブラシ、タフトブラシを使用して汚れを除去しましょう。

2:ナイトガードで歯ぎしりや食いしばりから守る

日本人の多くは、寝ている間に歯ぎしりや食いしばりをしているといわれています。
歯ぎしりや食いしばりは、歯に大きな負担をかけます。継続して歯に力が加わると、歯の表面が擦れてしまい、噛み合わせが変わってしまうことや欠けてしまう、ヒビが入る、歯ぐきへのダメージを与えるリスクがあります。
セラミックの歯はもちろん、噛み合わせる反対の歯を守るためにもナイトガードの使用をおすすめします

セラミックと歯ぎしりの相性

3:定期的に歯科医院でメンテナンスを受ける

日常的な歯磨きに加えて、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けましょう。歯科医院でのメンテナンスでは、自分では取りきれなかった汚れや歯石を専門器具で取り除き、徹底的に口腔内を清掃します。
また、セラミックの歯に問題がないのか、噛み合わせの状態も確認します。虫歯や歯周病、セラミックについてなど、何か問題があればすぐに対処できます。

メンテナンスの頻度は、口腔内の状況に応じて異なります。
歯科医師または歯科衛生士と相談して、適切な頻度でメンテナンスを受けましょう。

歯のクリーニング

まとめ

セラミックで作られた詰め物や被せ物は、虫歯になりにくいメリットがあります。
セラミックの素材は汚れが付着しにくく、歯とセラミックの間に隙間ができにくいため、虫歯のリスクが低減します。また、審美性やアレルギーの心配がないなど多くのメリットがあります。

しかし、保険診療の対象外になるので、費用が高額になります。

セラミックの歯を検討している方は、自分の希望をしっかりとドクターへ伝え、納得したうえで治療を進めましょう。
当院でもセラミック治療を行っています。セラミックを検討している方や悩まれている方は、お気軽にご相談ください。

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