予防歯科はいつから始めるのがベスト?

予防歯科とは

予防歯科とは、虫歯や歯周病など口腔内の病気が進行してから治療を行う従来の考え方とは異なり、口腔内の疾患を未然に防止することに重点を置いた取り組みのことです。
スウェーデンを中心とする北欧から広まったものですが、現在、欧米諸国では6割以上の人が歯の定期的なメンテナンスを行っており、“予防歯科は当たり前のこと”という認識になっています。

日本での予防歯科の認知度はまだ低く、取り組んでいる人も少ないのが現状です。
予防歯科の先進国であるスウェーデンでは80代の平均残存歯数は20本を超えているのに対し、80代の日本人の平均残存歯数は5本という調査結果からも分かるように、予防歯科への取り組みは歯の健康に非常に大きく影響しています。

近年「歯の健康を守るためには予防が大事」、「歯の健康は全身の健康に大きく影響する」という考えが日本でも少しずつ広まってきており、予防歯科への取り組みを始めた歯科も増えているようです。

口腔内の病気の発症時期は?

予防歯科は虫歯や歯周病などを予防するためのものですが、その発症時期はいつでしょうか。厚生労働省の「令和4年歯科疾患実態調査結果の概要」から、虫歯や歯周病など歯の疾患状況を紹介しましょう。

日本人の虫歯罹患率はどのくらい?

厚生労働省では5〜6年ごとに歯の疾患の実態調査を行っています。その調査結果によると、令和4年の永久歯のう蝕(口の中の細菌が生成する酸によって、エナメル質・象牙質・歯髄などといった歯の硬組織が溶けて欠損した状態)を持つ人、つまり虫歯がある人は20代で7割~8割、30代で9割以上を占め、40代後半~70代になると100%に近い、ほとんどの人に虫歯があるようです。

次に虫歯になった永久歯に充填やクラウンをかぶせるなどの治療を行った1人あたりの歯の数に注目しましょう。20代の1人あたりの治療本数は2〜4本、30代は5〜7本、40代で10本近く、50代を超えると1人あたり10本以上の歯を治療していることが分かります。

日本では成人の多くに虫歯の永久歯があり、年齢と共に虫歯の治療本数は増えているのです。

虫歯

日本人の歯周病罹患率はどのくらい?

同じく厚生労働省の「令和4年歯科疾患実態調査結果の概要」によると、20代〜60代の人の半数以上に歯ぐきからの出血が見られるとあります。

引用元:「令和4年歯科疾患実態調査」の結果

歯と歯肉の間には歯周ポケットと呼ばれる溝があり、その深さが4㎜以上の場合は歯周病とみなされますが、日本人の歯周病罹患率は、同調査結果によると深さ4㎜以上の歯周ポケットをもつ人は20代で2割~3割、30代~40代は5割近く、60代になると5割を超えています。

さらに50代以上になると、1割〜2割の方は歯周ポケットの深さが6㎜以上になっており、高齢になるほど歯周病が重症化しているようです。

歯周病

年代別の予防歯科

厚生労働省の調査結果によると、日本人は20代では虫歯や歯周病にかかる人が少なくなく、その割合は年齢とともに増える傾向にあるようです。
予防歯科は歯の疾患を未然に防ぐための取り組みのため、できるだけ早い時期から始めることをおすすめしますが、高齢になって始めたとしても歯の疾患の重症化を避ける効果はあります。予防歯科との向き合い方について、年代ごとに解説します。

20代~30代の予防歯科

20代〜30代は就職、結婚、子育てなどで生活環境が変化しやすい時期です。慣れない環境や忙しさで生活習慣が乱れがちで、歯磨きなどの歯の手入れもおざなりになってしまう人も多いでしょう。歯科医院に行く時間や費用がもったいないと感じてしまう年代かもしれません。

しかし20代~30代の歯の健康が保たれている間に予防歯科に取り組み、定期的な歯の検診を受け、歯科衛生士の指導の元、正しい歯磨き方を身につけることは、将来的な歯科の治療費の軽減にもつながります。

40代~50代の予防歯科

厚生労働省の調査結果からも分かるように、40代〜50代の方は虫歯が増え、歯周病に悩む人も増えてきます。歯の病気だけでなく、様々な体の不調を自覚し、治療が必要となってくるのもこの年代からです。

年に1度健康診断を受けるように、年に1度、できれば半年に一度歯の検診を受け、口内に溜まった歯垢や歯石を除去するなど歯のクリーニングを行いましょう。

この時期にしっかりと予防歯科に取り組んでいれば、たとえ虫歯や歯周病に罹患したとしても軽症で健康な状態に戻すことができ、60代、70代以降も自分の歯を残すことができます。

60代以降の予防歯科

60代以降になると歯の状態に問題はなくとも歯ぐきが下がるなど、加齢による不具合が出てきます。歯科以外の病気も顕在化する時期です。歯の疾患は身体の健康にも大きく影響を及ぼします。

虫歯で噛み合わせが悪くなり、しっかり咀嚼できなくて消化不良を起したり、歯周病が糖尿病や血管の病気、誤嚥性肺炎など、全身の病気を引き起こしたりするため、注意が必要です。

虫歯や歯周病が重症化すると抜歯や外科手術が必要になり、治療に時間がかかります。年齢とともに増えていく医療費を少しでも抑えるためにも、予防歯科に積極的に取り組むべきです。

60代以降になると歯の状態に問題はなくとも歯ぐきが下がるなど、加齢による不具合が出てきます。歯科以外の病気も顕在化する時期です。

歯の疾患は身体の健康にも大きく影響を及ぼします。虫歯で噛み合わせが悪くなり、しっかり咀嚼できなくて消化不良を起したり、歯周病が糖尿病や血管の病気、誤嚥性肺炎など、全身の病気を引き起こしたりするため、注意が必要です。

虫歯や歯周病が重症化すると抜歯や外科手術が必要になり、治療に時間がかかります。年齢とともに増えていく医療費を少しでも抑えるためにも、予防歯科に積極的に取り組むべきです。

スウェーデンの予防歯科は歯が生えた時から

予防歯科の先進国であるスウェーデンでは、歯が生えた時から成人するまで、矯正やインプラントを含む予防歯科の治療費は全て無償です。

全国民に対し、歯が生え始めた時から定期的な歯のメンテナンスと、口腔内を健康に保つための指導を受けることを義務付けているため、世代を通して虫歯や歯周病に悩む人は非常に少ないです。

成人してからも予防歯科に関わる治療の7割を国が負担するというスウェーデンと、ほとんどの予防歯科が自由診療である日本を比較するのは難しいですが、80歳代のスウェーデン人の平均残存歯数は20本を超えているということを鑑みれば、予防歯科は当たり前のことという認識をもつスウェーデンの人々に見習うべきことはたくさんあります。

子供の虫歯の特徴!注意点や予防方法について

まとめ

予防歯科を始める時期について紹介しました。現在の歯が健康である人ほど、「予防歯科にお金や時間をかけたくない」、「今は不都合を感じないので、予防歯科に取り組むのはもう少し後でもいい」と考えがちです。

しかし口腔内の病気は自覚症状がないことが多く、「虫歯がない」、「歯周病にもかかってない」と思っていても、実は症状が進行しているということもあります。疾患があっても回復が早い若い時期から予防歯科に取り組めば、虫歯や歯周病にかかるリスクが軽減され、たとえ虫歯ができたり歯周病にかかったりしても軽症の内に健康な歯に戻すことが可能です。

予防歯科への取り組みは早ければ早いほど効果も高いですが、一方で「遅すぎる」ということはありません。50代、60代、70代以上になってからでも歯科医院で歯の定期的なメンテナンスを行うことは、その時点以上の虫歯や歯周病の悪化を防ぎ、高齢になっても自分の歯を健康に保つことにつながるでしょう。

「令和4年歯科疾患実態調査結果の概要」の調査結果では、自分の歯を20本以上持つ人の割合は30年前と比べて徐々に増えてきており、日本人の歯の健康に対する意識や予防歯科への取り組みは高まってきているとも言えます。80歳を超えても自分の歯で好きなものを食べ、健康的な生活を送るためにも、予防歯科に積極的に取り組みましょう。

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